──── メイン・サロン付近 ────
[ まだ使い慣れぬ通信機をぎゅっと握り視線を下げた私に
掛けられたのはご主人が私を気遣う声。>>229
それには"ぃ…いえ……っ"と首を振った。
"ゆっくり話そう"と言って別れたご主人。>>110
あの時は深く考えなかったけれど、いざこうして対峙すると
何を言われるのかという不安と緊張で押し潰されそうだ。
無意識のうちに呼吸が浅くなる。
クレメンス様が見えなくなってから床に正座しいつもの体勢へ。
ナイフのように鋭い言葉が降ってくると思うと恐ろしくて
ぎゅっと目を瞑った。 ]