― 翡翠ヶ淵 ―
[各自各様の手段で倒されていく小鬼たち。
妖白狼は動くことなくその様を見ていたが、やがて、ぶるる、と身を震わせて一声、吼えた。
それを合図とするかのように、小鬼たちがするりと溶けるように消えていく]
『……ぁー、もう。
仕方ないなぁ、これ』
[次いで漏れるのがぼやくような呟きなので、ある意味台無しなのだがそれはそれ]
『どうしても押し通りたいっていうのは、よーくわかった。
……でも、こっちとしてもはいわかりましたで通せないというか通し難い事情があるからねー』
だったら、どうするっていうの!
『……んー……この先に進みたかったら、俺を倒して行け?』
[こて、と首を傾いで告げられた言葉。
口調は軽いが、真白の背後に揺らめく焔思わせる気は、妖白狼の本気を示しているようだった]