-第2エリア:通路-
[次に目を覚ました時、彼女の前には二匹のホログラムが
現れた。
痛む体を無理矢理起こし、二匹の話に耳を傾ける。]
避難…そっか、間に合わなかった人もいるんだね…
メイン・サロン…?そこに集合…か、わかったよ。
[ふらふらとよろけながらも立ち上がり、未だに少しだ
けずれた平衡感覚に悪戦苦闘しながらも前へと進む。]
あぁ、でも。
不謹慎化もしれないけれど、私以外にも人がいるって
わかって、少しだけ安心したかも……なんてね。
[現れた二匹のホログラムにそう言って苦笑する。
避難誘導を優先に行っていたとは言え、やはり自身への
不安の方が大きかったから。こんな状況とは言え、他に
人がいるとわかって、少しだけだが心が軽くなったのだ。
この緊急事態の正体が、その逃げ遅れた人々の中にいる
なんて、夢にも思わずに。
そんなことを思いながら。
壁に手をつき、メイン・サロンへと向かった。]