ありがとう、ギィ。 これは私からの、精一杯の恩返しです。[目の前が時折暗くなる感覚に限界を悟りながら、右手の爪を鋭く尖らせる。ひとつ、ふたつ、息を吐いて。勢いよく、心の臓に己の剣を突き立てる。] わたし、の……さいしょ、で、さいごの、やさしさ、は。 あなたに、ささげ、ます。[震える指を伸ばして、鍵となる命の源を彼の唇へと落とした。]