[許してくれたのか、諦めたのかまでは知らないが、刑は終わりお土産を渡して]
今日は帰る。戻ったばっかだからね。
[孤児院にはいつもとは違う活気がある。それはアーヘンバッハ婦人がきているからだろう。良いことだ。子供もなついている。暖かい光景だ。だからそれを崩す気はない。
それにだ。自分は第一印象は、ひどいものを与えてしまったであろうと認識していた。無機質な観察。こちらを心の奥をのぞき込むような目の拒絶。何か奇妙な、嫌な感覚もある。なぜかこう、主と婦人が二人寄り添う先に、己の死があるような――??
どちらにしても好かれたいともしていなかったから、訂正する気もなかった。]