― 回想 ―
[激情を飼い慣らすことから彼女の家、カイエン家の術師としての路は始まる。
だが子供の頃から精霊師として自分の心の中に違う感情を容れられている...の幼少期は不安定の一言に過ぎた。
それでもどこか発散できる場があればよかったが、生憎と姉は年を離れていて、同年代で切磋琢磨できる人がそばにいなかった。どこまでも子供扱いされ対等といえる存在がいなかったのだ。
だからやんちゃであった。旧家の娘でありながら、肌をやいてしまうほど奔放に遊んでいたのはそのせいもあった。
そんな頃、家同士の付き合いだったか、なんだったかであったのが二人であった。同年代の子が珍しくて接しかたがわからなくて]
ねぇ、精霊師なんでしょ。勝負しよ。アタシがかったら今日からアタシの子分だからね!
[今思えば赤面もののことをいっていたものだけど、なんのことはない。
アタシは一緒に喋れて、一緒に遊んで、同じような立場でいられる人がほしかったのだ。
その後...は激情を徐々に飼いならしていくのであった*]