― 回想:ウェルシュと会う前 ―
[此方の言葉に安堵してる様子は目にしつつ>>245。
貴族のバランスに関しては、異議を唱えないとは信じていない故に心の中で反論はしてしまう。
権力という甘い汁の味を覚えた者が、大人しくバランスを保つだけで満足するのだろうか、という考えがあるからだ。
貴族でも軍でも権力という大きな力を持つ者がそう簡単に満足を得られるとは思えてない。
そしてより大きな力を持つ者に力を求めるのはいつの時代にでも良くある事。
故に軍のトップにいる己は力の恐ろしさを知り、常に気を払っていたりもしてる。
が、弟にその恐ろしさを知らない。
知識を得て頭角を伸ばしている事は喜ばしい事であるが、力の恐ろしさを知るのに時間が欲しい、というのが本音だ。]