[場が静まり返った。
それもそのはずだろう。それでなくても極東アジアは四大勢力と戦争状態にある。そこに新たな勢力が介入するという事は、細い糸の上で保たれていた戦力バランスが完全に崩壊させてしまう。
情報がゆっくりと理解するにつれて、円卓に集った軍人達がざわめく。
その様子を見ながら、実剣は思う。
これが極東の軍事を取り仕切るトップなのかと。
新しい勢力が加わるのならば、それに対応した生産性のある提案の一つでも口にすればいい。なのに出てくるのは戦々恐々とした弱腰な言葉だけだ]
(せめて僕にすぐさま返すくらいしてほしいもんだ)
[上司に恵まれない中間管理職の気持ちを理解できた実剣をよそに、鑑がすっと手を上げた。
途端、ざわめきが消えた]
「それで? おまえが考えを聞こう」
[やはり鑑大将だけは違う。
心の中でほくそ笑みながら、再び指を鳴らした。
今度表示されたのは4人の少年少女のバストアップ写真だ]