[ それはいつのことであったか。
ガートルードの伝言を伝えたスノウから、ドロシーのデータ>>183、そして残留者のデータ>>194をもらう。
すり寄る猫に、困ったような顔で、ちょいちょいと耳を突いてから。
そのデータに目を通した。
顔と名前を頭に叩き込み、赤い聲で聞いた名とも照合しておく。
足は人が多そうなメイン・サロンへと向かっていたか。
"味方"……大勢には"敵"かもしれないものを認識しているため、その足取りには迷いがなく。
………迷いがなく。
どうしてここで言い淀んだのかと言えば、呆気にとられたから。
それは、ナイーブな理由なんかではない。 ]