[ 震えながら座り込んでしまった私に
"彼"はどんな顔をしたのだろうか。
きっと相手には私が奴隷だとは分からない。
普通に考えたら告げるべきだ。
けれど告げてしまったらこの船であった"幸せ"は?
もう、2度と訪れない。
あぁ、何という事だろう。
あれだけご主人に会いたいと思っていたのに。
知らないうちに私は優しい方々に甘えて、"幸せ"を知って
それを手放したくないと願ってしまうほど
貪欲になっていたらしい。
わかっていた事だ。
こんな日は長く続かない事だと。
私はただ、今まで通りに戻るだけ。
求めていた落ち着く場所に戻るだけのこと。 ]
…………私は、貴方様の奴隷です。
お告げつする事を少しでも躊躇った私を
どうか、お許し下さい…
[ 正座に直って頭を下げ、震える声で許しを乞うた。 ]*