[傷つける心算も、吸血を重ねる心算もない。多少でも怯んだり動きが止まってくれれば、其れで良かった。そのまま兎から飛び退き、シルキーを庇うように着地。男の右腕には新たに傷が一筋、赤が垂れる。反撃の為、小さな動きで突進を避けた代償だ] ツェーザルさん、またね。 助けようとしてくれて、ありがとうございました。[今の彼に、声が届くかは分からないが。大理石の欠片を一つ拾い上げる。戦利品として貰っておこう。にこりと微笑むと少女の手を取って、振り返ることなく立ち去った*]