― 森へと ―
[>>241 まだ人狼の話が耳に届いていない者もいるのか、
はたまた耳に届いていたとしても信じていないのか。
村内の空気はそう重たいものでもなく。
出たのは人狼ではない何かだったのかもしれない、
そう錯覚させられてしまいそうな空気の中を、
ニコラスの手を握りながら歩く。]
………誰か、居る。
[ニコラスが人影を見つける直前、小声で囁きながら、
顔を強張らせたニコラスを庇うように一歩、前に出る。
ゆっくりと近づいていけば、それが見知った顔であることが分かった。
何かを話しているようだが、
それを聞き取ることが出来るほどの距離ではなく。
向こうがこちらに気付いたのは、いつの事だったか*]