……君の仕える王からはネストルと呼ばれたね。 だが私はネストルではない。 改めて名乗りおこう。 私の名は『過ぎ行く伝承を観る者《ローィルァンドロッセパラドスィヴレーポ》』。 まぁ、ローランドとでも呼べば良い。[本名とはまた別の、号とも言える名を紡ぎ、通り名も付け添えておく。相手が祖の名とかつてのことを知っているのなら、背負う運命も察しがつこう。杖を向けられ、問いを投げてくるのに、男はしばしの沈黙を返した]