[淡々と呟くたびに、指に嵌めた魔石がゆっくりと光る。 ――ほかのあらゆる魔道に反応して媒体となり、その能力を模倣することの出来るこの石。 本体から切り離された小さな石粒であろうと、それなりの力は未だ宿していた。 現在は情報の蓄積・共有用に調整された石は、部下に持たせた記録用の魔石にもその内容を転送している筈だ。 同じように部下も、魔石を通して男と情報を共有している。 蓄積された情報は、自分たちの内の誰か一人が生き残れば無事持ち帰ることが出来る仕組みだった]