― サクソー川:橋の北西付近 ―
[弓騎兵隊の殆どは命に従い戦線に戻っていた。
決闘の場に陣を組んで微動だにせず在るのは、
ダーフィトの一隊をエドルファスと共に追った者らのみ。
そして彼らは今、全てを見届けてそこに立っている。
同胞が命散らした、その事実に違いはなく。
その動揺や悲嘆は握り緊めた弓や拳にはありありと表れていたし、
文字通り射抜くような眼光で場を睨み続ける者も多かったが、
ダーフィト率いる騎士たちのとる騎士の礼>>224に、微かに背を正した。
例えそれが敵であれど、
刃交えた者の誇りと正面から向き合い受け容れる剣。
敵将の高潔な心は、確かに彼らにも届いているのだ。**]