―数年後―
「それで、お母さまたちはこんとんの王をたおしたのね?」
えぇ、そうですわ。
貴女は本当にこの話が好きですわねぇ。
[幼い子供を膝の上に乗せて桔梗色の髪を持つ流水の守護者は微笑んだ。
揃いの意匠をしたワンピースは瑠璃色と青藤色。
――あれから数年の歳月が流れ。
少女は嫁ぎ、愛する人との間に子を儲けた。
膝の上に座っている長女は母によく似た容姿をしていたが、性格は活発で勝気な子に育った。
冒険譚を特に好み、きらきらと薄藤色の瞳を輝かせながら母の話を聞きたがる。
他の子同様に、更に成長したらどんな少女に育つのか、今から楽しみだ。]