>>258形
[「笑わない」と答えた少女の声はどこか緊張して聞こえた。
続けられる言葉に、苦笑してみせる。]
はは…俺はこの作者の本はね、これしか読んでないんだ。
そもそも本も、これ以外はあまり読まないしな。
でも好きならなにより。良い物語だよな。俺も好きだよ。
(好き、というよりは――『執着』だろうな)
[浅学を恥じていた苦笑に自分の愚心への嘲りが混じる。
この本は、物語は謂わば自分にとっての『薔薇』なのだろう。]
そうだな……俺は、待っていたと思うよ。
俺が『薔薇』ならそうするから。
逢えたと思えば『ぼく』との別れも良いものになるだろう?
全員がしあわせになれるなら…それが一番いい。
[「それとも、君はそうは思ってないのかな?」と尋ねた。]