[金髪の門番>>254との話が一区切りついた頃だろうか。
匂い立つような美女が、玲瓏な声で話し掛けて来る。無作法にもグラスを傾けたまま、きょとんと目を丸くする。]
ゲルゲル呼ばれてるぞ?
[不真面目な門番を肘で突く程度には本気で誰のことか一瞬クレステッドにはわからなかった。]
って、ああ! リッドちゃんか。リッドちゃん!
また今日は綺麗にしてるから一瞬誰かと思った。マジで。
[身分上は自由自治区の領主である事に変わりがないが、領民にはアホ領主だのファーストネーム呼び捨てなど、ざらじゃない。
領内での慣れない”閣下”呼びに今更のように笑いを堪える。]
いやあ? 堅苦しい社交辞令はいらないぜ?
今日はリッドちゃんも客人だし。
それから前も言ったけど、社交辞令は笑顔全開で言おうなー?
せっかくの可愛い顔が台無しだぞ?