――???・円卓会議室――
[闇の中に白きリングが浮かんでいた。
リングの中には、半透明の完全な球体が浮かんでおり、そこには世界各地の戦況がリアルタイムで表示されている。
そしてリングの外周には12の席が等間隔で並んでいた。その様はまるでアーサー王伝説に出てくる円卓だ。
ただ違うのは座しているのは腕に覚えのある騎士ではなく、全員が軍人だという事だ。
軍人達は一様に腕を組んで眉を顰めているか、テーブルの上で手を組んで手元に配られている資料を穴が開くほどに読み返しては、苦悶を顔に浮かべていた]
「お待たせいたしました」
[そこに声が場に響いた。
踵を鳴らし闇から姿を見せたのは、長い白衣を着た男だった。男は口元ににやりとしたいやらしい笑みを浮かべながら中指で眼鏡のブリッジを押し上げると、全員の顔が見渡せる場所で立ち止まった。
12人の視線が一斉に男へと集まる。
それをどこか楽しげに眺めてから、パチンと指を鳴らした。
球体に映像が浮かんだ。そこには人型の発光体が、欧州戦線の機動兵器と戦闘している戦場の光景だった]
「これは?」
[軍人の中で、一番上の階級――大将の階級章をつけた鑑が口を開いた]