…君が理想と現実を区別できる人間で良かった。
[鋭さの消えて凪いだ様な双眸で男は若き盟主を向いた]
シュビトの演説を拝見して私が感じた危惧はふたつ。
民主主義の熱に浮かされ
北の民や貴族諸侯すべてを敵に回す無謀さがないか。
そして現実的な国内の落着点を認識できているかだ。
次の演説には期待しているよ。
前のままでは、南は良くとも北の賛同は得難いだろう。
[王府に対して強気に出る為、想定以上の要求を突きつける事は交渉手段の常識だ。
然し貴族でも無い彼は、何処までを本気で考えているか知れず。
その三白眼で見据えていた男の言葉には、そして嘘の類は見受けられなかった>>229]