[けれど触れる手前で止まる。吐息の交わるその距離で、彼の目を覗き込み]君のその想いが、もし、勘違いでないのなら、……――此の侭私の心を奪ってくれ。私の権利など関係ないと、その瞳で、唇で、その腕で、私を二度と飛び立てぬ様君の傍に縛りつけてくれ。[唇の代わりに、耳朶に唇を触れさせて、わざとらしく低く響かせた、甘たるい声音で告げる言葉、けれど、希うというよりは、その口調は、命じるに近く]生憎と、私は君の様に優しくはないのでな、NOとは、言わせない…