民家、ですか。
ええ、と…
[困ったように首を傾げる。彼のいうことは分かる、理解できる。双頭犬の仔は抱えていてもさほど目立たないものの、自分の背よりもはるかに大きな子はきっとどこへ行っても目立つ。とても目立つ。
けれど教えられてきた神の教えからすると、勝手に人様のうちを借りてしまうのは、些か問題があるように思えて。しかし、借りようと言っているのはまさに神そのものである。自分の中の教えと、目の前の神を見比べて…結局、聖職者たる青年は、こくりと頷いた]
でも、お礼はちゃんと言わないといけませんね。
[何故か神よりも口うるさいことになっていた]