――宿・空き部屋――[村長に連れられたのは、奥の小部屋だった。 少し埃っぽい空気に咳払いしてから、ふたつの椅子の片方にかける。]その。処刑と、投票に反対するわけではないんです。それだけは、前提としてお話するとして。[一呼吸起き、苦く唇を噛んで。 呼んでおきながらにして、口を開くのを迷う。 それは、出来れば思い出したくはない過去だからだ。]……俺の故郷の、隣町は。人狼に襲われて、壊滅しました。[その言葉は、現状において村長の耳にどう聞こえるか。]