―― 王宮・第二王子私室 ――
玉座の間での毅然とした態度、お見事でございました。
[深々と頭を垂れて敬服を表す。
今ここに集まっているのは、彼を支持する主要な者達。
そこには外務長官の姿や、尚書官長の補佐官の姿もあったか。]
……殿下、まずは無礼を承知でお聞きしておきます。
かの文書の真贋について、我が監査局は鋭意調査しております。
しかし、もしも、遺言が偽造であったと判明したら。
先王陛下が指名した本当の後継者が兄君であったとしたら。
――殿下は、如何されますか?
[僕としては、まず何よりも優先して、
これだけは聞いておかなければならなかったのだ。]**