[しかし。イェンスから聞いていた「入り口」が見えてくれば。]……あれ、が……。…………。[慎重さはどこかへと消えて、入り口へと近づいていく。旅で浮かべたことのない、ぼんやりとした表情で。タチアナのことなど、普段以上に気にしていなかった。]