[楽しい内容ではない事件の話はすぐ打ち切り、代わりにカタリナとパメラが幼い頃の出来事を口にした。]
それでもカタリナのこと、あーだこーだ言う奴がいたら、すぐ俺に教えろよ。昔悪ガキをぶっ飛ばしたときのようにやっつけてやる。
[顔の前に右手の拳をぐっと突き出しながら。
可愛い少女がいれば、それをからかう男子がいるのは今も昔も同じ。内気なカタリナは標的になりやすく、そのたびにゲルトを引き摺って駆けつけたものだ。
パメラが妹として引き取られたあとは、ついやり過ぎてしまい、逆に男子の両親が苦情をねじ込まれた経験も数知れず。しかし男は、自分の行動に迷いはなかった。
本気で守りたいものがあるなら、手段は選ばない――未だに強く信じているのだ。*]