―聖神神殿内・池のほとり―
[御魂に近付くにつれ、水の気が濃くなってゆく。
先ずは精霊に力を…と言われているとは知らず、流水の御魂であれば水に縁深い場所に引き寄せられるものなのだろうか、などと思う。
遠目に見える池の近くに誂えられた四阿は、少女の住まう集落にあるものよりも小さい。
感じるのは御魂と、慣れ親しんだ水の精霊の気配。]
…あの方が、流水の…?
[自分よりも小柄な背中が見えて、その場に立ち止まった。
じっと意識を集中させたが、流水の力を彼女から確かに感じる。
ネックレスののオパールに触れると深呼吸を二回。
意を決したように口を引き結ぶと、一歩踏み出しながらそっと声を掛けて]