[――騒動は呆気なく沈静化した。
騎士団員は手負いの指揮官を守るように撤退したが>>243。
あれだけの傷、ちゃんとした場所で手当しなければ助かるまいと、少なくとも僕はそう見ていた。]
念のため追撃は行う。
ただし街中を戦場にしないように、此方に被害が出ないように。
そして何より重ねて言うが、深追いはするな。
奴らは腐っても精鋭、白狼騎士団だと心得よ。
[中には最後まで抵抗を試みる者がいたかもしれない。
主君を逃がすためと殿を努めた者もいたかもしれない。
いずれにせよ、追跡した兵士たちが目的に追いついた時、
彼女は既に虫の息であったか、それとも既に亡くなっていたか。
果たして。]*