― 『澱み』の集う場所 ―
[かつて、目に見えぬ力の流れを読むことで、一族は水先案内の役目を得た。
そして力の流れを捻じ曲げることで、精霊術としての発展を遂げた]
この龍も、形を得た力そのものなら。
どこかに、力の流れがあるはずなんだ……。
[『虚無』が、海において『澱み』を生んでいたように。
何かしらの、力の集う点があるはずだと睨んだ]
[鉤縄を振るい、鱗を削るように打ちながら、見るのは海龍の体を蝕む炎。
煙が風の流れを示すように、炎の揺れが力の流れを示しはしないか。
そうして見極めた、炎の上る先]