[最初の一着。拡げられた布は面積が狭く、光沢を帯びた生地。上着があるのだろうと暫し沈黙の後、どうもそうではないらしいと知れる] ごめんなさい、これはちょっと………、[思わず隣を盗み見、二着目の提示を頼む。細身に仕立てられた上質な黒衣は、男性物に思える] これ、貴方に凄く、すっごく似合いそう。 交換は出来ないのかしら…?[隣の彼が身に纏う姿を想像すると、如何にも優美だ。けれど、魔族は頭を横に振る] ……見たかったのに。[それはそれは残念そうに、ぽつりと]