― 王都陥落から数日後:王都 ―
[魔王が第二王子やその相棒と戦っている頃。
少なくとも魔王が彼ら二人程度に負ける道理は万に一つもなく、そういう意味では自分が着いている必要もなかった。そのため彼は抜かりなく周囲を警戒していた。
そうしていると、儀式の間に備え付けておいた周囲の様子を確認するための魔法の装置に、こちらを伺う姿>>249を捉えることができた。
面倒なのでオークの連中に彼を追うように指示を送ったが、彼はオークの追撃を振りきって逃げおおせた。大したものだとも思いつつ、逃げる先を予測し、短距離の移動門を開き、躊躇わずに門を通り……
逃げ切ったローランド>>253が休んでいる頃合い。音もなくクレステッドはそこに現れる。幽界から響くかのような、低く冷たい声で彼に問いかける]
……我らが主に仇なす者のようだが、貴様、何者だ?