[嘲笑う人形が、腕を広げる。沈んでおいてと、誘いかけるように。サンデッキを埋め尽くさんばかりの豪雪は、床を這い、空を駆け、軍服の魔女の身を、あるいはその周りの船板を、炎天にも負けぬ程に凍りつかせてやろうと。]ばかばかしい、しょうぶなんて、もう良い。[声色は、先とは違いほんの少しだけ、荒れております。ああ、やはり、我慢できなかったか。]