[両の手振り下ろすよりも早く、それは終わる。]ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ……っ!!![喉奥からほとばしる叫び。 肩に感じた違和感は、鋭く突き刺さるような痛みへと転じた。 クレステッドが、魔法を使う可能性を失念していたのは、焦りからか。ともあれ己の判断ミス。 己の血が、左半身を濡らしていくのを感じながらも、双眸強く見開いて、両の手を振り下ろしたけども、それはただ剣の重さだけを頼りにしたようなもの。 避けるのは容易い。]