[どこか故郷をを思い返すような口ぶりをソマリが見せたなら。>>124]
……そう、よね。
もうきっと人は居ないのだろうけれど、
星はあるもの。
……ないのとあるのとでは、違うわよね。
[施設育ちだと昔何かの話の流れで聞いたことはあった気がするが。
彼の故郷、トゥランタという自然に恵まれた星>>1:8がもうすでに無いなどとは、微塵も思わず、ポツリとそんな言葉を零す。
被検体ですら殺そうとした軍部の連中が、クエーサーに残った住人を見逃すかと言われれば否。
軍部がそんな非人道的な実験をしていてはならない、している筈がないのだから。
だが、その小さな惑星ごと隠滅したという話があれば、流石に耳に入るため、おそらくそこは、人間も死体としてゴミの一部と化した無人の惑星と化しているのだろう。
そして、ソマリの言葉に含まれる複雑な感情に、一瞬聞こうかどうしようかと口ごもる。
……それはソマリの話?と。
いつもなら聞いた筈の言葉が、どうしてか、今日は滑らかに紡ぐことが出来ない。
ぽたぽたと落ちる涙も、邪魔をするかのように、重たいものが喉の奥をつかえさせる。
それは、ソマリが諦めを抱いたような、それでいて寂しさのような、罪悪感のような……自分には読み取れない目>>125 をしていたからだろうか。]