………ただ、その。[敬ってはいる。いるのだが、と少し困った様子で。]…苦手、なんです。あの皇帝陛下は……少し、父を思い出してしまい。[容姿などはまるで似ていない。年齢もだ。だが有能と呼ばれ、国と領地の違いはあれど拡大していった所。それから、―――ふと耳に入れてしまった、愛人の事も。噂は噂でしかなく、だが事実など知りようもなく。それは何とも言い難い苦手意識として棘のように胸に残ってしまっていた。]