あいつらは……何を期待しているんだろう。
[悼む泪が止めば、また左目を包帯で覆い隠す。
何も映さないはずなのに、ぎょろりぎょろりと
左目が動いている気がして気持ち悪かった。
身体の包帯は他人に任せたこともあるが、
頭は気持ち悪いだろうから、と断り続けたせいで
誰も見たことは無いだろう]
100年前と同じなら人狼が出てくるのか。
それとも何事もなく吹雪が晴れるのか。
どっちだろうな。
[頭の包帯を巻き直したら、次は身体。
手伝ってくれた者がいたら覚えているだろう
切り傷や火傷と、見える部分とは全く違う皮膚。
癒えたはずだが、境界線の綺麗な皮膚はまるで
他人のようにも見える]