―回想/ゲオルグとテオドールと―
[自分も生きたいが為に、
父親の軍がとらえた二人の海賊…ゲオルグとテオドールに
震える声で持ちかけた下手な取引>>0:74]
悪くない生活…?
小さな頃から、父親にいつ喰ら…いえ、殺されるか
怯えるだけの、自由のない生活を…良い生活っていうの?
[テオドールのアレルギーはこの時は知りえず。
けれど、嫌味めいた言葉なのは、伝わった。>>183
一瞬、泣き笑いのように、くしゃりと顔を歪めて。
服の襟のボタンを1,2個外した。
首筋から肩にかけてあたりが、見えるように。
薄暗がりでも、幾つもの裂傷や、
噛み痕のような醜い痕。
そして、まだ血の滲む傷痕等も、見えたかもしれない。]