― 回想/2年前・辺境伯side ―
[コリドラスが自ら将軍職を退くと言い出したのにアルブレヒトは驚いた。
表情を大きく変化させた心算はなかったが、軽く瞠った目を見て彼はそれを察したらしい>>228。
相変わらずの飄々とした笑みが返って来る]
「………────」
[後継の成長に合わせ、都合が良いだろうから、と理由を告げられると、アルブレヒトは無言を貫いた。
コリドラスは理解しているのだ、アルブレヒトが遠くないうちに穏便な形で彼を将軍から降ろそうとしていたことを。
アルブレヒト自身、コリドラスが領主派であったことは知っていたし、その上でこれまでつき従ってきた中での秘された思いにも気付いていた。
故に向けられる推測>>231に対して浮かべたのは薄っすらとした笑みのみ]