……っと。[しゃりんと音を鳴らして、鍵束は降り積もったばかりの柔らかい雪の中に落ちていった。慌てて拾おうとしたそのとき、さっきまでは気が付かなかったとあるものに気が付いた。降り積もった雪の塊かと思っていたが、よくよく見ると、それは薄い灰色の毛布の塊。雪に同化しているかのように隠されていた。触れてみると、ほのかに温かかい。]