[翻訳者としての仕事を始めて、だいたい5年くらい経った時だろうか。
ラボに呼び出され、ある物を渡された。]
『これは、持つ者が館長である事を示す物。そして、館長だけが使える特殊権利を行使するための物だ。
君はどうやら老化がないようだし、変に気負うような性格でもないし適任なんじゃないかな?館長と言っても存在を認知されたくないから、基本的にはやる事は今までと変わらないけどね。』
[正直、そんな理由で決められるのはどうかとも思ったけれど。
特に重要なことでもないのかなと思って、受け取ることにした。]
…ありがとうございます。
[去り際、いつか役に立つ、と背後から声が聞こえた。
…まあ、使う気はなかったんだけれど。]