―廊下―
[ノトカーからは言葉での答えはなく。
硬直したように身動きしない彼の、銃を握る手が震えを帯びて>>231
あ、これはヤバい…本能的にそう感じとれば、
咄嗟に右手で銃を抜いて構えたが]
……やめろ…っ!
[制止の声をかけるも、既に手遅れだろうとわかってた。
続けざまの射撃音が、廊下に鳴り響く。
咄嗟に伏せた頭上や身体近くを通過した銃弾や跳弾のうち、
右頬を掠めたのが1発、左の脇腹を抉ったのが1発。
奔った焼けるような熱と、続く痛みに一瞬だけ呻くが、
一刻を争う止血が必要なほどの、深手じゃない]