人狼物語−薔薇の下国

407 ルー・ガルー戦記 9 〜ラモーラル辺境戦


平原の民 エディ

 あのさ。今日からディーンのこと、
 にいさんって呼んでいいかな。

[そう尋ねたのは出会いから何日か後のことだ。
 その頃にはディーンはぽつぽつと話をしてくれるようにも、共に遊ぶようにもなっていた。ディーンの習得力は大人たちも驚くほどで、あっという間に一族に馴染んだ。草原を駆け森へ出かけ、時に流れる雲を何時間でも見上げ、同じ時間を過ごした。

 彼の仏頂面は単に寡黙な性質なのだと思っていたが、そうではなくて、何かが彼をそうさせていたのだと朧げに気づき始めたのもこの頃。

 けれど彼の過去については、エドルファスは自ら問うことはなかった。
 触れられたくないもの、秘密にしていたいことは誰しもにある。
 秘密の共有の代わりに、より遊びに連れ出したし、より多くを話したし、より強い絆を求めたのだった。]

(259) 2016/02/18(Thu) 20:24:10

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