[戸惑いはあるが、ぼーっとしている暇はない。
先の啖呵を危険と見なしたのか、戦乙女たちが複数、こちらに向かって来ていた]
……ま、ここで出し惜しみは必要ねぇしな!
[同じフィールドを取る術があるなら、出し惜しむ必要はない、とばかりに開くは天翼。
銀色の光が弾けて翼を織りなし、直後、勇者は空へと舞い]
光、集いて、舞え……『想い』の力を、刃と変えて!
[剣の力を乗せた言霊を紡いで、解き放つ。
応じて浮かび上がるのは無数の光球、それはくるくると舞いながら刃と転じ、追って来た戦乙女へと牙を剥く。
その身が黄金の霞へと転じた瞬間、そのただ中に飛び込んで、剣を一閃。
半ば無意識の行動だったが、刃に触れた霞はそのまま、溶けるように消え失せた。*]