― 階段 ―
[ふらりと足が向いたのは、元老に捕らわれる直前にいた場所。
同じ轍を踏むつもりはないが、同じ場所に同じトラップがかかっているとも思えなかった。
そもそも、あれはトラップの類だったのだろうか。
泡立つ疑問の答えを見るため、一歩踏み出す。
―――――――その足が、再び深淵を踏む事はなかった]
まあ、そうですよね。
同じ仕掛けが残っているわけない………ん?
[階下の方から、微かに刺激臭がした。
徐々に近づいてくるそれに、生き物の気配を感じ取り、ゆっくりと身構える。
そして獣の目で姿を捉えると、相手を確認する事なく飛び掛かった*]