[すぐさま箱舟作りが始まった。建材は、方々から寄進された。あるいは、周辺の建物を取り壊して確保された。今や救世主とさえ呼ばれるようになった青年は、建材のひとつひとつに祝福を与え、聖なる文言を書き記していった。動力も何もない。ただ船の形をした巨大な建造物である。一週間もすれば、おおよその形は完成しつつあった。]*