― 階段 >>227>>228 ―[指先にちくりと痛みが走って、赤い血が流れ出す。熱く息を吐いてしまいそうになるのを堪えて、人の姿に戻ったツェーザルを上から下まで眺めた。濡れたような赤い瞳は、今までの危うい無邪気さとは違う光を宿している。なにかが変わったのだろう。この子も。] どういたしまして? ……っ?[抱きつかれて泣かれて、頭を撫でながら話を聞く。なにを言っているのか要領は得なかったけれども]