―― その後 ――
[地下牢での出来事の後、取り敢えずは氷漬けになったフードの男を抱えて逃亡する事になる。
アリーセと男の関係性を表沙汰にする気はないし、もし表沙汰にしたとしても追っ手がかかる事に変わりはないだろう。
追っ手を振り切り、アリーセの指示の元とある場所へとやって来た。
アリーセの母親が眠る地。
一緒に埋葬してやりたいという彼女の願いを叶え、すぐ傍に埋める事になるだろうか。
ここへと来る道中で色々な話しは聞けただろう。
アリーセの母親と父親が恋愛の末に結ばれたと聞いた時は僅かばかり驚いたが。
娘を幽閉したのは何故なのか、とか何故大事にしてやれなかったのかなど色々と思う所はあれど。
結局のところ手放せなかった、これが全てなのだろうと思う。]
(……愛情はあったんだろうけどなぁ、俺はやっぱあんたの事は好きになれん。)
[何がそこまで男を歪めたのかさっぱり分からないが。
埋められた男へと向ける視線には憐憫と同情が滲んでいた。]