[世代の穴とでも言うのか、一族内の男の子といえばうんと年上か
まだ赤子くらいの年齢の子供ばかりで、年の近い男児がいない。
自分の両親は狩り中の事故で共に他界し、兄弟も居ない。
話をしてみたくて、仲良くなりたくて、煩がられてもその男の子に付いて回った。ほとんど一方的に名乗り、質問を投げかけた。]
…ディーン?
わあ、ディーンって言うんだね!
[何度も尋ねて漸く聞き出せた名に、ぱっと表情を輝かせる。
ぶっきらぼうな言い方であっても、嬉しくて仕方がなかった。
ひとつ、このひとのことを知ることが出来た、そう思った。
――それを境にますます遊ぼう攻勢が激しくなったのは、
ディーンにとっては厄介なことであったかも知れないが。]