[パサついたパンを、これも適当に取ったミルクコーヒーで飲み下すように嚥下していく。あまり味は感じなかった。少なくとも今は、必要な栄養補給以上の思いはなかった。指先に残ったマヨネーズを舐め、これでは男性は足りないのではないかな、などと思う。空のビニール、飲料パックを丁寧に畳むと近場に屑箱がない為、ティッシュに包んで鞄にしまい立ち上がる。]
[軍服の裾を払い、ふ、と息を吐いて胸を張る。そうだ、船を降りる前にやっておきたい事があった。意識を切り替えると、船前方デッキからは物陰になっていただろう後方から出る。と、人の少ない方を目指して居たのか、青髪の上官の姿を見つける。]
中尉!
[反射的に呼び掛けると、無礼に気付き、その場で直立不動の敬礼をした。]