羊飼い カタリナ

　─ 幕間/響け音色 ─

　まったく！ これでも私は世を忍んで
　星々を転々と移り住んでいるんだぞ！

　なんでって、そりゃ私が人間だからだ。
　人間が100も200も生きるわけがないだろう？

　だというのに、君と来たら
　なんでこんな離れた星にまで顔を出してくるのさ？

［　怒りと呆れを滲ませた顔を作って口を尖らせる。
　　この運び屋の顔を見るのはこれで何度目だろう？
　　それも星を違えてだ。
　　一つの星でとならば偶然であるろう。
　　けれど、かけ離れた星で見えるのは
　　もう偶然の範疇を超えている。
　　1度、2度ならまだ笑って許せた。
　　「実は孫なんですよー」とかごまかしたりもした。
　　3度、4度は『こいつストーカーか？』と訝しんだ。
　　もっとも殆ど表情を変えないもんだから
　　何を考えているかも皆目見当がつかない
　　そして、5度、6度と巡る年月幾星霜…
　　100や200年で利かなくなればもう諦めるしかない
　　これは腐れ縁という名の運命だと　］